2010年03月01日 04:44

FC岐阜VS名古屋グランパス

カテゴリ:試合結果
昨日のFC岐阜対名古屋グランパスの試合「名岐ダービー」について。


金崎夢生がとても良かったです。
うまいですね。

金崎選手のことはあまりよく知らなかったのですが、
指宿キャンプの時の清水エスパルスとの戦いでも光っていました。

ここ2カ月間見ていて、背番号10番の小川佳純よりうまいと思いました。

金崎はスタメン固定が確定的です。

私は小川が好きで、頑張ってもらいたいと思っていますが、
現時点では、やはり日本代表の金崎夢生の方が明らかに技術や突破力が上だと思います。

↓こちらの「8:59」のところから再生して下さい。


この、“ちょこっと触れるだけのワンタッチ”で相手ディフェンダーをかわす能力は注目です。
“最低限の動作”で、ボールをコントロールしているところを何度も見てみて下さい。

相手の胴体と金崎の胴体との距離が非常に近くなって、
やや接触し、金崎が相手を手で振り払って通過していますね。

この「体の近さ」は、とても大事なポイントです。
メッシなど、ずば抜けたドリブル突破の能力を持つ選手は皆、
この様な感じで、「相手の体にかなり接近」して抜いていきます。

この体と体の“近さ”は、
「相手がファールで潰すことが出来る距離」
でもあります。

ドリブル突破ができる選手は、このぎりぎりの“体同士の距離”を体で認識していて、そこで勝負をしているわけですね。
玉田圭司もこの能力が高いです。

ちなみに杉本恵太の突破は、これとはやや質が異なるものです。
杉本恵太は、このワンタッチの強さがやや強めです。
そして、一瞬の爆発的なスピードアップ、つまりは力技で相手を抜いていることは、皆さんご存じの通りかと思います。
これはこれで、相手にとって脅威です。

よく観察してみて下さい。
金崎夢生と杉本恵太の、相手を抜く瞬間の“タッチの強さ”、
つまりは、“ボールの動く距離”を。



さて。
この金崎の出現で、
小川自身も痛烈に危機感を覚えているはずです。

小川も本来は突破力が十分にあるんです。
しかし、彼は今、「攻めていない」。突破についてチャレンジしていない。

何となくそんな気がします。

「味方にパスをする」という安全策がやや多くなっているのかも知れません。

もっと突破を試みてもいいはず。
遠くからゴールにボールを蹴り込んでもいいはず。
自分自身の力を信じていいはず。

自分を信じて、突破をして、痛い目を見て、
自分を磨いて欲しい!

そして小川にはそれができる。
今までと同じ様に。
彼は何をすれば自分の能力を高められるかを知っている。

今まで同じ様に、1日1日を大切にすればよいのだ。

頑張れ小川!
これは小川がプロになって初めて味わうタイプの試練かも知れません。

これは、彼にとって非常に「良い試練」なのです。
小川に「ポジション争い」がもたらされたのです。

今の小川には、
「まあ、スタメンとして間違いなく試合に出れるだろう。」
という安易な感情は既に彼の頭にはありません。

金崎がいるからです。
そしてブルゾらが台頭してくるからです。

ずば抜けて身体能力が高いダニルソンがボランチに入り、
今後、中村直志や吉村圭司の前線での活躍が増えてくる。

そしてもともとマギヌンは外せない選手だ。
金崎とマギヌンは息がぴったりと来ている。

金崎、マギヌンが固定されているとなると、
ポジション争いは“し烈”を究める。


ここで、山口慶くんがなぜ放出されてしまったかを考えてみよう。
山口慶はとても良い選手だ。安定感がある。
守備もうまい。ポジション取りもいい。

でも、ストイコビッチ監督は、山口慶を放出した。

なぜか?

私が考えるに山口慶は、対戦相手にとって「危険ではない」からだ。
「意外性」がない。

敵にとっては、殆んど想定内の動きをしてくれる選手なのかも知れない。
意外なプレーをすることが殆んどないので、相手にとって「あまり怖くない選手」なのだ。

「相手の想定内の動き」を正確に行い続けるプレイヤーと、
成功率が低くても、常に「相手の予想もつかないプレー」をするプレイヤーとでは、
はたして、どちらを敵は嫌がるだろうか?

明らかに後者の「相手の予想もつかないプレー」をするプレイヤーだろう。

金崎夢生は「相手の予想もつかないプレー」をするプレイヤーだ。
そして、「前へ前へ」と切れ込んでくる。

金崎は敵にとって、「危険」なのだ。

一方の山口慶はそれなりにうまい。だが「危険」ではない。

小川よ。「危険」であれ。
「名古屋で最も危険なプレイヤーたれ!」
名古屋の10番はお前だ!

自分を信じ、
そして守備の選手たちを信じて、
ゴールに向かって突き進んで欲しい。

↓「0:30」のところから再生して、小川のこの突破を見て下さい。


私はこのプレーによって、小川に魅了されました。
失敗してもいいから、小川にはこういった突破をもっとチャレンジして欲しい。




そして小川にもう一つ注文だ。
選手層が厚くなった今、一試合、一試合、全力でプレーしてみてくれ!

その試合で倒れるくらいまで、走り込んでくれ!
大丈夫だ。倒れはせん。

死ぬ気で走ってくれ!
大丈夫だ。死にはせん。


田中隼磨も、中村直志も、これまでのプロ生活で、
一貫して献身的に走ることで高い心肺能力を獲得したのだと思う。

ダニルソンも、コロンビアのビッグクラブ、インディペンディエンテ・メデジンで、
レギュラーを獲得するため、そしてレギュラーを維持するために、
常に必死で走り続けてきた。


ゴールに向かって走れ!小川!
頑張れ!小川佳純!




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